今回は初心者向けにBlenderでUV展開をする方法についてご紹介していきたいと思います。
このBlenderのUV展開はモデルを作成し終わった後、テクスチャを貼る作業の時に必要不可欠な動作です。そのため、BlenderでUV展開をする方法は必ず覚えておいてください。
参考用動画
本記事の大まかな内容を上記の動画でまとめています。操作を含めた方法や、ささっと知りたい方は上記の動画をご覧ください。
本記事では上記の動画では説明しきれなかったことをご紹介していきたいと思います。
そもそもUV展開とは
UV展開とは簡単に言えば、3Dの表面に貼り付ける画像(テクスチャ)の位置を決める作業となります。
これを行うことで、3Dモデルのどこにどのような画像を貼り付けるかを決めることができるようになります。
基本的なUV展開方法
まず始めにUV展開には様々な方法があります。その中でも基本中の基本であるUV展開の方法について本章ではご紹介していきたいと思います。
UV展開の準備(シーム)
UV展開をするためには、まずシームを付ける必要があります。このシームとは何なのかについての説明も含めて、UV展開の準備の方法をご紹介していきます。
シームとは
上記のリンクの説明からも想像が容易ですが、ただの切れ目です。基本的に3Dは一部を切りひらなければ2Dにすることができません。
その切る位置を決めるという作業がシームとなっています。
シームの入れ方
シームを入れるためには、まず編集モードにして切込みを入れたい辺を選択し[Ctrlキー + Eキー]を押してシームを付けます。
シームがついた辺は上図の右側の辺のように赤く表示されます。
この時、辺の選択方法便利な方法が多くあるため、そんな辺の選択方法は以下のリンクを見てください。各段に早く楽になるので必見となります。
シームの付け方は出来るだけ展開した時に分かりやすくなるように設定した方が後々便利になります。
注意点として、シームの下にシャープを付けるという項目があると思います。これもシームと同じような操作で辺にマークをつけることができますが、効果が全く異なるのでご注意ください。
Blender シャープ辺の使い方・細分割曲面でエッジを消さない方法
UV展開を行う
オブジェクトにシームをつける作業が終わったら、次にUV展開をしていきます。
画面の準備
UV展開を行うとき、最初のうちはUVがすぐに見える状態にした方が、UV展開がどのように行われるかが分かるように画面を準備することをおすすめします。
そのため、本項では画面の準備方法についてご紹介していきます。
追記(2020/8/31)
本項でご紹介する方法で画面を準備しても問題ありませんが、Blenderでは画面のプリセットが用意されています。
そのため、Blenderの画面上部にある上図のような【UV Editing】を選択することで準備することができます。
-----追記終了-----
作業をし易くするため、ウィンドウを2つにします。下図のところをクリックして左に引っ張ってください。
そうすると同じウィンドウが2つになると思うので、片一方を変えていきます。
上図のように、片一方のウィンドウを[UVエディター]に変えてください
そうすると、上図のような画面になります。上図の右は[UVエディター]、左は[3Dビュー]になっています
展開をする
次に3Dビュー上の編集モード中に、【A】キーを押して全頂点を選択してください。全頂点を選択した状態で、【U】キーを押して上図のように【展開】を押します。
そうするとUVエディターのウィンドウに上図のような展開されたUVが表示されるようになると思います。
これで基本的なUV展開は完了となります。
UV展開の調整方法
前章の内容でUV展開を行うことはできたと思います。しかし、UV展開は展開したら完了のものではなく、後々使いやすいよう基本的には調整します。
そのBlenderでUV展開をした後行うUV展開図の調整方法について次項からご紹介します。
調整時に便利な設定
まずUV展開図を調整しようと思ったとき、最初に思い浮かべるのが、UVエディターの面と3Dビューの面の対応が分からないということだと思います。
簡単なオブジェクトや、とてもよく考えられたシームを付けたUV展開以外では基本的にわからないと思います。
そのような時、Blenderでは簡単に上手のようなチェッカー画像を作ることができ、面の対応を見ることができるようになっています。
このカラーチェッカーを利用することで得られるメリットとして主に下記の2点となります。
・面の対応が把握しやすい
・UVの歪みに気づきやすい
UVの歪みはやっていくとわかると思いますので、本記事では説明を割愛します。
次項からそんな便利なカラーチェッカー画像の適用方法についてご紹介します。
カラーチェッカー画像の適用方法
カラーチェッカー画像を適用するためにはシェーダーエディターを利用する必要があります。そのため、シェーダーエディターの使い方が分からない方は、まずは下記の記事をご覧ください。
Blender シェーダーエディター(ノードエディタ)の使い方01【基本的な使い方】 - TomoGのごちゃまぜ倉庫
まず新たにマテリアルを作成し、上図のノードをシェーダーエディターに組んでください。左から、テクスチャ座標、マッピング、画像テクスチャ、プリンシパルBSDF、マテリアル出力となっています。
注意点として、テクスチャ座標ノードのUVをリンクさせてください。それ以外をリンクさせるとUV展開が適用されなくなります。
下記のアドオンを入れている場合は、最初からあるプリンシパルBSDFを選択した状態で【Ctrl + T】で出てくるノードです。
Blender ノード編集をもっと便利にするアドオン【Node Wrangler】 - TomoGのごちゃまぜ倉庫
次に先ほど作成した画像テクスチャノードの画像の【新規】ボタンを押してください。すると様々な設定が出てくるため、生成タイプを【カラーグリッド】に変更して【OK】ボタンを押してください。
最後に3Dビューの右上にある上図のようなアイコンを選択してください。すると上図のようにオブジェクトにカラーチェッカーが付くようになると思います。
これで、UV展開図の調整が簡単にできるようになったと思います。
実際の調整
一発でUV展開図が決まるというのはほとんどありません。そのためUV展開を行った後は、必ず調整をする必要があります。
そのUV展開図の調整の方法を次項からご紹介していきます。
UV展開図の調整
まずUV展開図の頂点を回転・移動・拡大縮小をして整えます。
UV編集画面上で頂点を選択すると編集できるため、それで編集をしてください。回転・移動・拡大縮小は3DView上のものと変わりません。
アドオンの利用
UV展開図の調整を行うときに非常に便利なアドオンとして【TexTools】があります。詳細な使い方等は下記の記事をご覧ください。
BlenderのUV調整を簡単にする無料アドオンTexToolsをご紹介。 - TomoGのごちゃまぜ倉庫
UVエディターの背景を変更
BlenderでUV展開をした後、そのUV展開図を出力して絵で上書きしていくという使い方もできますが、既存の絵にUV展開図を合わせていくという使い方もします。
その既存の絵にUV展開図を合わせていく時、UVエディターの背景を既存の絵に変更したい時の方法について本項でご紹介します。
まず上図のように、既にBlenderのUVエディターの背景に画像がある場合は、上図の位置にある【×】アイコンで背景を消すことができます。
そして、上図のようにBlenderのUVエディターの背景に何もない場合は、上図の位置にある【開く】を押すことで、ファイルを開く画面になるため読み込みたい画像を選択してください。すると背景がその画像になると思います。
既に1度Blenderで読み込んだことがある画像を再度表示させたい場合は、上図の位置にあるアイコンを選択することで、今まで読み込んだ・作成した画像が一覧として出てきます。そこで、自分が再度表示させたい画像を選択してください。
その他のUV展開方法
前々章でご紹介したUV展開方法は基本となっています。ほかにも様々なUV展開方法が存在します。それらの簡単なUV展開方法について次節からご紹介していきたいと思います。
UV展開を自動化
これまでの記事で、シームを付けて展開して、UV展開図を編集して・・・・とUV展開を調整するのは面倒です。
そんな時に使用するのが、UV展開を自動でしてくれる機能です。これを使ったら、シームを付ける必要すらありません。UV展開を自動でする方法として
先ほど3Dモデルを選択して【Uキー】を押して、展開ボタンを押しましたがスマートUV投影を押すだけです。
たったこれだけで、モデルのUV展開を行ってくれます。しかし、当然のごとく自動なので、おかしいところが出てきます。これは手動で調整するしかありません。
形状的なUV展開
UV展開の方法の1つとして、形状的な投影でUV展開するものがあります。
これは使いどころが難しいため、基本的に利用することはないと思いますが、一応このようなUV展開方法があります。
ビューからのUV展開
次にUV展開の方法として、ビューから投影をする方法があります。これは現在の3DView上のビューから見えてるそのままUV展開をする方法となっています。
応用:UV展開を2回する方法
本章は少し応用になりますが、使う場面が多いであろう方法となっています。
上図の右のほうなオブジェクトを通常のUV展開をすると上図の左のように上下が歪みます。このくらいなら手直しできそうですが、こちらを2回UV展開することで、きっちりとした正方形にすることができます。
正方形というのは上図の左のような状態になります。この状態が基本的には一番理想的なUV展開結果だと思います。
1回目のUV展開
まず本記事の最初のようにUVマッピングメニューまで行ってください。そして、選択する項目はUVマッピングの中でも【ライトマップパック】を選択してください。
すると上図のようなライトマップパックの設定項目が出てきますが、気にせず【OK】を押しても問題ありません。
すると、UVがおかしいことになりますが気にせず2回目のUV展開に移っていきます。
2回目のUV展開
2回目のUV展開をする前に、3DView上の選択方法と面選択にして、追従させたい四角形を選択してください。選択された面は上図の赤丸の中のように面が白くなると思います。
この時選択する追従させたい四角形とは、UV展開図を綺麗な四角形にするための基準になるため、できたら中心を選択するといいと思います。もし違った場合は再度UV展開をすればいいので、そこまで慎重にならなくても問題ないと思います。
追従させたい面を選択した後は、1回目と同じようにUVマッピング画面まで行き、1回目の項目の下にある【アクティブ四角形面に追従】という項目を選択してください。
すると上図のようなアクティブ四角形面に追従の設定画面に行きますので、【OK】を選択してください。
すると本章の最初でご紹介したような綺麗なUV展開図を作ることができます。
UV展開した後
UV展開後、このUV展開図を直接編集したり、外部ソフトで編集することも可能です。
直接編集する方法
UV展開をした後、Blenderで直接編集する方法があります。その詳細な方法は下記の記事をご覧ください。
Blender操作忘備録 : UV展開とテクスチャペイントとテクスチャをはるメモ - livedoor Blog(ブログ)
外部ソフトで編集する方法
[UV/画像エディター]のところにある、UVを選択すると上図のような項目が出てきます。
これらの項目の一番上にあるUV配置をエクスポートすることで、この展開図をpng形式で出力することができます。
出力したpng画像を外部ソフトで編集を行い、通常のテクスチャのように適用することができます。
Blender UVがエクスポートできない時の対処法 - TomoGのごちゃまぜ倉庫
UV展開の実用例
参考サイト
本記事の内容は以上となります。
BlenderのUV展開は非常に重要な機能の1つとなっており、モデリングするときは基本的に避けることはできないものとなっているため、是非UV展開の方法を覚えておいてください。
本記事は以上です。お疲れさまでした。